たんの〜摘出しゅじゅつ


4月6日(木)〜4月18日(火)まで、私は胆嚢摘出手術の為入院しておりました。

そもそもの始まりは、なぜか昔からお腹の右側が重く鈍い痛みを感じており、また
最近どうも身体の不調が続いていた為病院で検査をしたところ、胆嚢に石がかなりみて
取れるということで、取るなら早い方が良いとの事で手術に踏み切りました。

手術を決めた後、インターネットやら本やらの媒体で胆嚢手術の方法やその他情報
を読み漁りました。そして今回行う腹腔鏡手術では簡単な手術であり、痛みもそれ程
ないとのことで安心をしておりました。

しか〜し、机上と実際に手術をするのでは大違い、それはそれは悲惨でございました。
インターネットとか本とかは、実際腹腔鏡手術を受けた人が書いとるのでしょうかね?

以下は私の手術体験でございます。

はっきり言って痛いよ!

また、手術に直面すれば、恥ずかしいとか汚いとかいやらしいとかそんな次元のものは
すべて吹き飛びます。
そんなことにこだわっている事自体が、ばかばかしい事に思えます。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

<2006.03.31(金) 手術予約の確定>

  この日手術の予約確認の為に病院へ行った。
初めての来院だったので、まず受付カウンターに行き先生の紹介状を出すとカルテ等を作成する
ので、お待ちくださいと言われた。
 そしてカルテが出来上がると、病院のカードと受信機を持たされた。
(この受信機は患者が次に何をすべきかが表示されるのでとても便利です。ちなみに私はこういう
システムは初体験でした。)
外来時間は午前中なので院内は閑散としており、普段病院は混んでいるイメージなので、とても
気分はよかった。

15時半の約束なので、だいたい15時過ぎぐらいに2F外科の窓口へ行った。
「今日住田先生と15時半に約束している○○です。」
と告げると、椅子に掛けてお待ちくださいと言われたので、まあ15時半までは時間があるし、と周りを
散策しながら待った。

しかし、15時半になっても声がかからずまあ病院は時間通りには事は運ばんわなぁ〜と思いつつ
待っていると、外科の婦長さんらしき方が来て、先生の手術に時間がかかっていてもう少しお待ち
くださいと言われた。

その後16時過ぎにまた来られて、未だ終わらないのですよ...と気の毒そうに言われましたが、待つのは
慣れているので、いえいえ別に大丈夫ですといいつつ持っていたベースボールを適当に読んでいた。

ただこのとき、手術というものは大変なのだなぁと印象付けられた。

16時半を少しばかり回ったころだと思いますが、先生がパタパタと走ってきて、遅くなってすいま
せん、いえいえとの会話を交わしながら、診察室に一緒に入っていった。

さて、手術の予約日の話ということで予定通り4月6日入院で4月11日手術ということになり、4月10日
(月)17:00に家族への説明を行うとのことになった。
退院は術後の経過を診てとのことだが、だいたい10日ということだった。
このとき私は全体の入院が10日と思ってしまい、後であわてて会社関係へ訂正の連絡を余儀なくされ
ることとなった...。

さて手術の予定も決まったしもう帰れると思ったところ、今日これから採血(HIV検査含)と採尿、および
レントゲン検査、心電図、肺活量の検査をやってくださいと言われた。
手術の予約の話だけと思っていた私は、完全に自分の甘さに気づいた。

まず、採尿ですが先生を待っている間に用を足してしまっていたので、無理やり絞り出すようになったが、
何とか適量を出すことができた。
採血は何と6本も抜くではないですか。こんなには初めてでだぁ...。
心電図はまあ慣れっこなので寝ながらぼけーで終了。
肺活量は5千ちょっとで、なにかスポーツをやってますかと聞かれたので、なんにもと答える。
レントゲンは、地下1Fにおり指示された通りにぎこちなくではあるが、何とか撮影を済ませた。
また、このとき胆嚢像映検査の予約も行った。


さあ、終わったと2F外科に戻ると、ちょっと鼻の粘膜を取らせてくださいと、先ほどの婦長さんらしき方
に言われ、綿棒のなんか細長いもので鼻の奥まで突っ込まれた。
これは、辛かったです。
(ほんまに、辛いですよ〜)

さてさて、胆嚢像映検査の予約が決まりましたが、なんと4月5日(水)の朝9時からとのことでなんで
入院してからにならないのかと、先生も不憫に思ってくれましたが、予約が一杯とのことで、入院前日
の朝早くから行うことになってしまった。

さあ支払いをとっとと済ませて帰ろうと思っていたら、なんと支払いでお金が足りないのですよ。
支払いの窓口でお金が足りませんと言って、病院の出入り口に設置してあるみづほのATMでお金を卸
して支払った。
(検査があるとは思っていなかったので、お金をそんなに持ってなかった(いつもだけど...)です。


この日は早く帰れると思っていたのが、ラッシュの時間となってしまいがっかりしながら帰った...。
考え甘いなぁ〜、わたしゃ。



<2006.04.05(水) 手術6日前>

 この日は朝から胆嚢像映検査ということで、朝から(前日21:00から)なにも食さずに病院へいった。
朝9時から開始なので15分前には来ておくようにとのことで、受付の時間
(一般外来受付が朝どれぐらい混むのか解らない)を逆算し、8時過ぎぐらいには行かなくては
のプレッシャーが前日からあったので〜す。
当然朝の通勤ラッシュがある為、電車の時間等を前日より計算していたのですが(かなり小心者
です)、まあ早いに越したことは無いと思い7:00ぐらいに家を出た。
幸運にも電車はそれ程混んでおらず、7:40分頃には病院へ着いた。

ただ、自動受付機の前に行くと受付開始時間が8:30分とのことで、よくシステムが飲み込めて
いなかった私は、整理券も取らずにあたりをぶらついていたが、どうも雰囲気があやしい
ので守衛さんに聞いたところ、自動受付までは整理券をとらなあかんとのことで、14番目の
整理券を手にすることとなった。

さて8:30になり整理券の順番通りに自動受付を済ませ、いざ2F外科に行ったところ、直接地下1F
のCT受付へ行ってくださいとのことで、地下までちんたらぽんたら階段をくだっていった。

CT受付に行くと、像映剤を点滴するとのことだった。
簡単な説明が終わると検査用の服に着替えた。
約1時間ぐらいの点滴でした。(結構つらい)
この点滴は、副作用があり身体が熱くなり、だるくなる症状がでるとのことで、いやだなぁと
憂鬱になったが、実際はそれ程の副作用もでなかったので助かった。

点滴が終わり、いざCT検査とのことで台に軽く固定され、CT検査のトンネルの中へと入っていった
次第にございます。

検査終了後、そそくさと着替えを済ませ、支払いの為会計へと向かいましたが、機械の処理
はそれ程早くなく、受信機の先を行く行動となって余裕をかましてた。



<2006.04.06(木) 手術5日前>

さあ、この日から入院です。
インターネットや、本等で表面しか捉えていなかったアホな私は地獄となる入口へちんたらぽんたら
能天気に進んでいったのであった。

入院は朝10:00までとのことでしたが、前日10:30ぐらいまででいいですよとの電話をいただいた。
きっとなかなかベッド等がうまくあかないのかなぁと思いつつ、遅くなる分は楽なのでよかったと病院
へ向かった。

病院へ着くととまず入・退院の窓口へ行き、今日から入院予定の○○ですと告げると7Fへ行くように
指示を受けた。
 7Fの受付へ行くと東病棟と西病棟と分かれており、入退院受付でもらった紙に東病棟と書いてある
にもかかわらず、西病棟の呼び出しボタンを押す私はお約束のボケをしょっぱなからかました。

さて、そうこうするうちに担当の看護師さんが出てきて、病室まで案内してくれた。
荷物を片付けた後、担当の看護師さんに一通り院内(7F)を案内してもらった。
また、手術前の問診や質問を看護師さんと行った。

※ちなみに看護師さんは若くて美しい方で〜す。(純粋にそう思いました。他意はございません)

この日はお腹のMR検査しかないし、まぁのんびりしてようと思ってた。

実際嫌なことはなかったのですが、13時から明日(4/7)の13時まで採尿をしてくださいと言われた。
 この作業は、透明な500mlぐらい入る容器に尿を取り、でっかい個人専用の検査用ビニール袋に
貯めていく作業で〜す。
結構、めんどくさいのですよ、これが意外と。しかも、どぼどぼどぼっとビニール袋に空ける音が
いとおかし。
全ての尿を蓄えないといけないので、うんちの時に出てしまうものもちゃんと取らなければと、
うんちの時も容器を持って望んだ。
ですから、途中尿が出そうだなと思ったら容器をぽこ○んのところに持っていって用を足すように
非常にめんどいので〜す。うんちの気分が削がれますな。

13:00から放射線科でMR検査を行った。

また、この日シャワーを浴びた。


※入院患者は部屋番号の割り振りで、お風呂に入れます。
 (私はシャワーしか使用しませんでしたが...)
   私は710号室で、火、木、土が入れる日でした。
 ただし、手術日前日や空いている場合は使用可能。


後は初心に帰るということで家から持ってきた「マカロニアクション大全」を読んでいた。


消灯は21時半とのことで、こんなに早い時間に寝たことの無い私は多少困惑しながら、フトンにもぐり
込んだ次第です。寝れね〜。


<2006.04.07(金) 手術4日前>

この日は朝から採血。
それと体温(各自体温計が渡されております)を量り、本日胃カメラを行う為朝食は終わった後に取る
とのことで、お預け。
それと術後の訓練とのことで、スーフルという息を吸ったり吐いたりする訓練の器具を渡された。
これで、大きく息を吸いゆっくり長く吐き出すという動作を10回を一日5セットやってくださいとのこと。
(術後の痛みの為に息継ぎが短く浅くなると、肺の機能を脅かす恐れがあるため事前の訓練)
息を吐くと、ぷ〜という音がでる。

次にうがいの練習。寝たままの状態で、顔を横にして看護師さんに水差しで水を口に入れてもらい
ぺ〜っと吐き出す練習。

咳の仕方。一度に大きな咳をすると傷に響くので、また咳はなかなか難しくなるため事前にどうする
かを覚える。

そうこうするうちに恐れていた内視鏡(胃カメラ)の検査がやってきた。

胃カメラを生まれて初めて体験。

まず、胃の動きを止める注射を肩にうつ。(痛いです)
そして、恐怖の診察台へ...。
のどに麻酔を吹きかる。これがまた何ともいえない感覚で...。
そして、カメラがのどに入ってくる...その途端に、オエー、オエーオエー、グェ、ゲボっという嗚咽が
どうしても止まらない。涙が両目から溢れ出てくる。
一生懸命、年配の看護師さんが背中を揺すってくださり、大丈夫ですよ〜、大丈夫ですよ〜とやさしい
声を掛けてくださるのですが、とにかくのどを通過するまではゲロゲロゲローの繰り返しで、大暴れ?だった。
胃の中に収まり、しばらくは我慢できたのですが少し移動するたびにオエー、オエー、ゲップという
動作を繰り返していた。
少しゲップを我慢して〜、と言われてもすぐにゲップとする始末...。
情けなさを思いっきりさらけ出した。

終わったとたん、担当医の住田先生に大丈夫だよ!っと肩をたたかれた。
(リポビタンDのコマーシャルのような、よっお疲れさん!という感覚)


私は周りの検査の方々にすんません、すんません、ありがとーございましたと、麻酔で半分動かない
唇で言ってました。

なぁーんと、辛いんでしょ。胃カメラって。
もう二度とやるもんかー.......。

※私ののどは普通の方より狭いのだそうだ。

この日よかったことは、採尿が13時で終わったことぐらいかなぁ...。


<2006.04.08(土) 手術前3日前>

何と本日は家に帰ってよいとのことで、昨日いただいた外出届けを書いてルンルン気分。
朝食をしっかり食べて朝9:30ぐらいには、病院を後にしたと思う。
明日は何時に戻ってきますか〜と、何回も看護師さんから念を押されたような気がする。
脱走はいたしません。21:00ぐらいには戻りますといいつつ、逃げるように家に帰った。

さて、家では病院食(注1)のように量を食べないように、ご飯をはかりで量って食べた。

(注1)私は中性脂肪が非常に高いので、脳溢血、心筋梗塞になりやすいので〜す。
   辛いよ〜。

また、何が起こるか解らないので、実家に赴きいろいろお話をした。
(もう浮き足立って、レコード等どころの話ではありません)
入院の内容や、今後の予定等を話した。


<2006.04.09(日) 手術前2日前>

特に食べ物に気を使った以外は、何もなし。

病院へ戻るため、17:30ぐらいにお風呂に入り夕食を済ませ、19時半ぐらいの始発電車に乗り病院へ
向かった。

病院は休日ですと正面玄関からの入退出ではなく、脇の通路を通って院内に入るようになっていた。
私は守衛さんに外出届けの控え用紙を渡し、病室のある7Fへと向かった次第にございます。

7Fへ着くと、東病棟の看護師さんに戻った旨を伝え病室にいそいそと戻った。
時計は20時半を過ぎたあたりでございましたが、院内は割と静まり返ってた。
そうこうしていると看護師さんがやってきて、戻ってきた確認とその他お話をした。
あとは家から持ってきた報知新聞を寝転がって読んだ。

消灯21時半にフトンにもぐり込んだ。


<2006.04.10(月) 手術1日前>

この日朝、剃毛の説明を受ける。
きたー!剃毛!恐れていたものが....。
看護師さんが、電気カミソリのようなものを持ってきて、これで風呂場で剃ってくださいと言われた。
(自分で剃るのかと、一安心。これだけは嫌だったのですよ〜)
説明では、胸からへその下ぽこ○んあたりまでとのことであった。
うまく剃れるか不安〜。

食事は昼食までは、普通に取っていいとのこと。
この後は、断食となります。
12:30より家族を含めた手術説明を受ける。(大体30分ぐらい)
そのあと手術の同意書を提出。

14:00〜15:00までお風呂にて剃毛を実施。
なかなかめんどくさいのですなぁこれが。
一応へそあたりまで剃って、さあいよいよ神秘の領域へと迫ります...。
うん、順調順調とぽこ○んのまわりまでは鼻歌まじりで進んでいきます。

ところがたま○んは、どうも勝手が悪いんですね〜。
柔らかな球体な訳ですから、しかもたこの頭をさらにゆるくした感じじゃないですか...。
風呂場なのでちょっとだれている状態ですな。
カマキリの卵状態が望ましいと思った。
経験のない私は(そんなあるわけない)普通に剃っていきました。
しばらくして、ん?ちょっと引っかかったかなとたま○んを見ると、うわ〜たま○ん
から血がぽたぽたと勢いよくたれているではないですか!
ぎゃー、たま○んが破けた〜、うわ〜どうしよう、看護師さんを呼ぶべきかー....

恐る恐るちょっとお湯をかけてみたら、キズはそれほどでもなくすぐに止まりました。あ〜、助かった〜。
ということで、何とか事なきを得ました。

みなさん、たま○んを剃るときは要注意です。(剃らないよね...)

(後でたま○んまでは、必要なかったことが判明。ショック)

さてさて、なんやかやでやっかいな剃毛も終わり、ベッドでくつろいでいると
看護師さんと研修中の看護師さんがやってきて、ちゃんと剃れているかの確認をされた。
若い研修看護師さんにこれぐらい剃れてればいいのよっと説明。
ぽこ○んまでは、確認せず。セーフ...。

恐る恐る聞いてみた。
あの〜、その先の部分は特にいいのですか〜?
するとなんと、ぽこ○んの直前ぐらいまででよいそうな!
そんなぁ〜、と心の中でつぶやきつつ、ちゃんと確認しなくちゃ...と自分のアホさにしばし呆然。
たま○ん怪我損。毛も大分残せたのに〜。
当分公衆の浴場などは行かれまへんなぁ。

一人で舞い上がってただけなのね....。


次に待ち受けるのは、腸を空にする為の作業にござりまする。
マグコロールという液体下剤(250ml)を15:00〜15:30までにゆっくり飲んでとのこと。
下剤はやだなぁと思いつつ、そのレモンのようなすっぱい下剤をちょびちょび飲んだ。
すぐには催さないらしい。

まぁ、適当に排泄すっかとベッドでごろごろ。

それと足に血栓が出来るのを防止する為のキツイ靴下を受け取り、履く練習。

21:00までは水なら飲んでよいとのことで、自販機で買った水をちょびちょびで気を紛らわす。

21:00にまた錠剤の下剤と睡眠薬(手術前で寝れなくなるといけないので)を飲む。
看護師さんに寝ながらうんちが出たらどうするのですか、というアホな質問。
答えは、それ程強くないので大丈夫と一蹴。

夜中、排便。思ったより出ないなぁ。というか、普段から便通が良いので、
結構日々出し切ってます。

やだなぁ〜、明日の浣腸...と思いつつ
とにかく睡眠薬が効いたのか、手術前の精神的なダメージもなく眠りについたみたい...。


<2006.04.11(火) 手術日当日>

 この日は朝7:00に止めの浣腸の執行日であり、諦め切った私は本日担当の看護師さん
(この方も若くておめめが大きい美人さん)に付き添われ、トイレへと向かった。
いつものトイレ(個室2ケ)は満員御礼巨人軍だったので、西病棟のトイレへ。
ここも一杯(西は個室1ケ)で、私は看護師さんに盛況ですなぁといいつつ、空きが
ないですねーというと、車イス用の広い個室へとつれていかれた。

 看護師さんの持っている浣腸をみると、なんと長い管なのでしょう!
それを突っ込まれると思うと恐怖で何もいえまへん。
私は浣腸に弱いので、看護師さん!私、浣腸に弱くてすぐにでちゃうのですと
のたまうと、5分ぐらいがまんしてとのお言葉...。
看護師さんの顔にかけちゃうかも!というとやめてよ〜!
というアホな会話を交わしつつ、浣腸を突っ込まれ液体を流し込まれた。

もう、私の素直な腸はすぐに反応。看護師さんが個室から出るやいなやぶりぶり!
1分ももちゃしません。
それでも効いている為、最後の最後まで出尽くした。
はぁ〜、地獄と極楽の繰り返し。
腹が痛くなったと思ったら、ぶびーで快感。
そんなこんなで腹も収まり、手術準備の為再びベッドに戻って待機。

8:30頃、病室に別の看護師さんと研修の若看護師さんがやってきて、さあ手術着に着替えて
くんなましと言われて、全裸ですかぁ〜と聞くと、ウィウィと頷かれさっさと寝巻きを脱いで
手術着に着替えた。
また、血栓防止の靴下を履く。

そして、手術室に運ぶための移動用ベッドに横たわる。
肩に結構痛い注射をうたれる。
その場で次に待っていたのは、鼻から管を胃まで通す作業とのこと。
○○さんも協力してね!とのことで、喉に入ったらつばを飲むように飲み込めとのこと。
あぁ、辛いよ〜、きっとまたゲロゲロゲーになるんだろうなぁと思っていたら、案の定
鼻から入れて喉に来たと思ったとたん、ゲボーゲボーとのたもうた。
あまりに通りが悪いので、一度抜かれた。
私も辛いので看護師さんにサインを決めて、そのタイミングでやりましょうと相談。
(グーが進入OK、パーが停止)
そして再度鼻から挿入。ゲボゲボなりながらも、グー、パーサインもよろしくなんとか
胃まで入れることができた。
あぁ〜辛い。しんどい。まだ、手術の準備だと言うのに...。

※手術中に胃から逆流したものが喉に詰まらないようにする為の管だそうだ。

さあいよいよ手術室へ出発。手際の良い看護師さんたちの声が飛び交う中、移動用ベッド
は7Fのエレベーター前までスムースに移動。(私は目を閉じていた)
エレベーターに乗り、いざ3F手術室まで。

3Fでエレベーターが停止すると、通常のドアではなく反対側のドアが開き、3F手術室まで
これまたテキパキした看護師さんの声の響くなか、私はすべるように運び込まれた。

手術室に入ると、移動用のベッドから手術用ベッドに移り、手足を固定。
天井には、無影灯がこちらを圧迫するようにぶら下がっている。
あぁ、私はこれから間違いなく手術をされるのだ....。
現実に直面し、緊張感が....。

つぎに麻酔をかける為の点滴を実施。これがうまく血管が見つからないらしく、3箇所目で
ようやく固定。(いてえよ〜。穴だらけじゃないかぁ〜)

そして手術室での担当看護師さんに名前を呼ぶからはいと答えてくださいと言われる。
○○○○さん、は〜い。○○○○さん、は〜い。わたしゃほんまに麻酔がかかるのかなぁと思いつつ...

記憶なし......

○○さ〜んという複数の叫び声に目が覚める。
麻酔から覚めなかったらどうしようなんて、取り越し苦労をしていた小心者の私はやっぱりアホーですな。
結構気持ちよく目が覚めました。感覚は5分ぐらい寝てたかなぁの感じなのですが、2時間経過していたそうな。

ということで、無事手術は成功したのでした。

その後は、病室に移されベッドに安静。
鼻からの管は入ったまま。酸素吸入が付けられ、心電図も装着。
自動血圧計(5分ごとに血圧が自動的に測られる)も右腕にセット。
水分補給と抗生剤の点滴も装着。
足の血流をよくする為のエアポンプも装着(エコノミー症候群防止)。

やはりショックだったのは、ぽこ○んから膀胱まで管を入れられた状態であること。
この管が入っていると尿意に関係なく、溜まれば管を通っておしっこが排泄されるのがすごい。
(以前尿を貯めてはかった量とくらべて正常に排泄されているかの確認をする)
大きい方はまったくでるきなし(食べてないから当然ですが)

身動きは怖くて取れず、そうこうするうちに痛みがでてくる。
鼻が痛い(管が入っている)、もちろんお腹のキズもだんだん痛みが増してくる。
いた〜い。
看護師さんを呼ぶ。
痛み止めお願いしますといい、座薬を入れてもらう。
もう、恥ずかしいという感情はとっくにどこかへ吹っ飛んでた。

とにかく辛〜い、辛〜い、辛〜い、痛〜い、痛〜い、痛〜い。

早く良くなりたいー!と心の底から思う。

酸素吸入機も邪魔くさいけど、きれいな空気を吸わなければ、肺がやられる。
また、呼吸も練習した通りに意識してゆっくり大きく吸わなければと、頭の中で考え、息を整える。

そうこうするうちに意識が遠のいていく。
(何回か目をさましているのだが、記憶がない)

とにかく手術は終わった....。


<2006.04.12(水) 術後1日目>

本日は当然食事なし。水分は多少取ったような記憶あり。
だけどお腹は全然空かない。
手術の痛みやらショックやらでその気にもならないのだろう。

たしか朝採血をおこなった。

そして16:00ぐらいにレントゲンがあるという。(胸とお腹)
しかも、一人で行ってくれとのこと。
ええ!もう歩くのですかー!

とのことで、経過をみて機器を取り外していった。
当然、ぽこ○んの管も抜かれるのだ。
あぁ〜、痛いだろうなぁと思いつつ看護師さん登場!
なんで看護師さんは、美しい方ばかりなのかなぁとこの時は
それが嫌であった。

管が抜かれる前に看護師さんに確認。
抜いたとたんに、ぴょろぴょろぴょろと出ちゃいませんか〜...。
だいじょうぶだよー。と一蹴。
いよいよ抜かれる...当然看護師さんの手はあそこに...。
くわ〜、管が抜かれていく〜、気色悪〜と思いつつ最後の方で
微妙な痛みが.....そしてちょろちょろと出る感覚....

でも、看護師さんは何事もないようにふき取ってくれている感触が...。

思うにもう恥ずかしさなどなにもなし。頭には何の感情もなし。
何でもこいという感じ。

さてさて、術後1日で身体に装着されていたものが、取り払われ
なんとか気分が晴れてきた。
でも、点滴は繋がったまま。

それと、お腹にはパイプみたいな管が埋め込まれていて、そこから
いらない体液?が出てくるとのこと。
その為お腹にパイプが刺さったままとなる。

そして、やってきました尿意が...。

恐る恐る起き上がる。当然痛いので、ベッドの柵につかまりながら身を起こす。
.いたたたたた.....、といいながらベッドに座る。いざトイレへと立ち上がる。
怖いのでゆっくりゆっくり歩き始める。点滴をガラガラ引きずりながら、
ゆっくり歩を進めていく。
トイレに行き、おしっこをはじめる。
きっと最初は痛いのだろうなぁとの予想通り!痛い!おしっこがだんだん
出口に向かってくるのが解るのだが、すごく痛い!!!
うわ〜、沁みるというかとにかく痛い。
いたたたたた〜とつぶやきながら、やっとこおしっこがでる。
色はなんか濃いのですが...。
出終わったあと、ぽこ○んの先からぷすぷすぷすっと空気とも泡とも
いえないものが音をたててでてくる。
うわ、なんじゃこりゃと思いつつ、とにもかくにもおしっこが出来た喜び
にひたる。あ〜、よかったという気分。

おしっこの二回目ぐらいまでは、痛かったけど、それ以降は痛みが消えたと言うか慣れた。

あとは点滴が邪魔だけど、仕方ない。

16:00になりレントゲンの為、一人で地下1Fにあるレントゲン室に向かう。
エレベーターに乗ったり歩いたりしたけど、もう怖くて怖くて仕方なかった。
また、レントゲン撮影の為撮影用の台に寝そべったするのも怖かった。
頭の中はそれ一色だったが、そう考えているうち事はどんどん終わっていった。

また、この日は悪いことに咳きがちょぼちょぼ出始めた。
当然、咳きはキズに響く。咳きをする度に、痛て、痛てとつぶやく。

トイレにいったとき、わりとでかい咳きがでた。うわ〜、と思っていたら
なにやら喉に引っ掛かりが..。
なんとでかい痰がでてきた。(直径3cmぐらいで球体に近く、見事な緑色)
うわ〜、すごいと思わず見とれる。
なんか変な達成感...。

その後夜まで点滴を射ちながら横になっているだけ。
たびたび、トイレ。
夜痛み止めの座薬を入れてもらい寝た記憶あり。


<2006.04.13(木) 術後2日目>

朝、検診。お腹のパイプみたいな管はもう一日様子をみるとのことでそのまま残す。
消毒をして、ガーゼをかぶせる。

なんと今日朝から食事が始まる。
食事にはオレンジ・ジュースが付いており、最初にそれを飲み干した。
(これが後でとんでもないことになる)
ご飯は五分粥(300g)。うまくないよ〜。
これまた味の薄いおかずとともに、ゆっくり食す。
なんか怖い。けど、食べなきゃなおらんと自分に言い聞かせとにかく残さず食べる。

食器の乗ったトレイを片そうと立ち上がる。ちょっと湿っぽいガスが出たなぁと思った。
トレイを持って歩いているときに、どうもお尻に違和感が...。

ベッドに戻り、パンツを下げると、ギャ〜、お尻が濡れている〜。
恐る恐るティッシュでぬぐうと、黄色いものがびっしり付着。
うわ〜、漏れてもうた〜と必死にぬぐいながらでも何も臭わないのに気づき、臭いをかいでみる。
なんと無臭!?
ティッシュで全てふき取った後、看護師さんにタオルで身体を拭きたいのでタオル
くださいとコール。(もちろんバレないように、浴衣に着替える※)

※寝巻き以外に、浴衣を持ってきていたのだ。

タオルを持って来てくれた看護師さんに拭きましょうかと言われたが、もちろん
隠したいので、自分でやりますといい、急いでタオルでふきまくった。
見事な黄色に染められるタオル...。
しかし、臭わない。たぶん、10日の夜から何も食べていなかったので身体の中
には何も無く、オレンジ・ジュースを突然飲んだので、一気に通過してしまったと思われる。
とにかく臭わなかったのには救われた...。
あぁ〜、やんなっちゃうとともにこれからガスは気をつけようと思った。

とにかくガスもでたことだし、術後は良好とみた。

その後、昼食、夕食とまずい五分粥ではあったが全てたいらげ、便通も4回程あり
(排便は非常に痛い。だから、自然に落ちてくるのを待つ。踏ん張りは痛いので)
痛いながらも順調に良くなっていることを確信しつつ、ベッドでごろごろしていた。

それとこの日の13時から翌日13時までの尿量の検査(あの容器にいちいち取る作業。
こんかいはビニールに溜めるのはなし。量を記入していくだけ)をはじめる。

また、痰をでやすくするための吸引をはじめる。(これは3日間ぐらい、日3回実施)。


<2006.04.14(金) 術後3日目>

朝採血。

この日食事は3分粥に変る。

検診にて、お腹のパイプのような管が抜かれる。
抜くとき怖かったけど、それ程痛みは感じなかったが、抜けていく時の感触が気色悪かった。

それとレントゲン撮影をたしか午前中に行ったと思うのだが...。

点滴がこの日の夕方に終了したと記憶している。

後は特に問題なく、徐々に廊下を歩き回ったり、ベッドに横になったりの一日だったような。
また、1Fにある売店に新聞を買いにいったりもし始めたように記憶している。

意外と早く動けるものだと思った。ただし、痛みはまだ残っている。

<2006.04.15(土) 術後4日目以降>

食事が通常のごはんやパンに変った。
もう、粥ではなくなりうれしかった。
(本当に不味かったんだもの)

この日から恐々ではあるがシャワーを浴びはじめた。
怖かったけど、気持ちよかった。

あとは売店に新聞を買いに行ったり、訳も無く廊下をゆっくり歩いたり。
(歩くのはリハビリに必須のためではあるが)

これから退院まで特別なことはなかった。

<2006.04.18(火) 退院>

このひは朝から晴れわたり、とても暑い日だったことを覚えている。
まぁ、退院とはこんなもんかというくらい何の感情も沸いてこなかった。
あんなに退院したかったのに...。
病室の方、看護師さんに挨拶をして1Fへ。

入・退院窓口にて入院費の支払いを行う。
総額210,410円
そんなに高くなかったのは、個室が取れず大部屋だった為。

待ちに待った正面玄関に歩を進めていった。何の感情も沸かない割りにはなんとなく感無量...。
外にでると、熱い太陽の日差しが眩しかった。
一度振り返って病院を見てため息....。

しかし、アホは最後までアホなのだ。
病室の引き出しにお見舞い金の一部やら、保険の用紙やら小型バッグにつめたものを
忘れてきたのを家で荷物を整理中に気がつく...。
また、TVのプリペイド・カードの払い戻しも忘れていた。
とにかく病院に電話。電話の向こうで看護師さんに、荷物忘れたでしょと先手を打たれる。
後日取りに行くことにして、とにかく休みたかった。

家には入院中に届いていたレコード類が大量に置いてあった。
こんなに聞けるわけないでしょ。
明日実家に持っていくことにした。

シャワーを浴び、ひさびさ髭をそる。

<2006.0419(水) おまけ>

朝からまだキズが痛むのだけど、電車にゆられて再度病院へ。
身体はまだだるいし、キズは痛いしで自分のアホさに腹を立てながら。

病院に着き、守衛さんに昨日退院したのだけど、荷物を忘れたので取りに来ましたと
告げると、そのままどうぞと言われて7Fへ。
7F受付で呼び出しボタンを押し(ちゃんと東病棟ですよ)看護師さんを呼ぶ。
ああ、○○さんね。中身確認してといわれ一応確認。

途中入院中に顔見知りになった方に1Fで出くわし、挨拶をする。
なんか懐かしく感じるのが変。

そして病院を後にする。

病院から帰ると昼食を取り、レコードを袋等につめこみ実家へ。
適当に開けたけど、もういいよレコードなんて...。
自分の人生他にもいっぱいやることがあるよと入院中悟ったから。

実家でお見舞いのお礼を言い適当に家に帰る。

自分の足で普通に歩けるのはいいなぁと普段見慣れた景色をみながらもくもくと
駅に向かった。

<感想>

手術は二度とやりたくない。病気にはなりたくない。
とつくづく思い知った数日間であったが、いままでと異なった世界を
味合えた意味のある日々だった。

なにも考えずぽか〜んとしているのも、なかなか味合えない歳だし。
時間ものんびり流れているようで...。
とくにシャバの事はあまり頭に浮かんでこなかった。
きっと普段から目的を持って生きていない為、別にどうでもいいみたい。

普段は自分はもう歳だしと思っていたが、ここでは高齢の方が多かった
ので(大部屋で私が一番若い)看護師さんに愚痴をこぼすと、若いのに
何言ってるのと言われ続けたのは、変に新鮮。

また、PCなど使えない日々であったが、ちっともなんとも思わなかった。
ちなみに、帰ってきてからもPCに向かう気持ちが昔よりなくなってしまった。
寝そべっていた方が楽しい。(昔からですが...)
昼間PCを使うチャンスがあっても、ひなたぼっこをする始末。
PC依存症ではなかったのだなぁ。
なあんにも気にならないし。

情報は病室のTV(プリペイド・カード方式で、1000円で9〜10時間使用可能)
でのニュースやら新聞だったが、特に気にならず。
ただ消灯が21:30なので、深夜番組が見れないのがつまんなかったかなぁ。
でも、それ程気にならないのでどうでもいい程度の番組なのかも。

自分のやりたい事はほとんど出来ないのだけれど、そこに適応と
いうか出来なければ出来ないで、特に気にならなかった。


最後に担当されたお医者さま、看護師さん達には本当に感謝しております。
看護師さんの仕事は、本当に大変なのだなあと思い知らされました。
こんなに厳しい職業だとは...再認識させられました。
自分の生活は大丈夫なのかなぁと心配しちゃったりして...
(大きなお世話という言葉が返ってきそうですが)

とにかく、ありがとうございました。

また、お忙しい中お見舞いをしていただいた方々ありがとうございました。



普通っていいですね....。


                    終